近未来少年少女



俺はミノルの事を友達だと思ってる

出会ったあの日からずっと

軽々しく“友達”だなんて言う奴は好きじゃない


だからミノルを見て自分と似た所があると感じていた

でもそれは俺なんかよりも重くて悲しい現実


ミノルが“友達”と口にしないのは病気という大きな壁があったから


病気はミノルの全てじゃないけど

ミノルは病気を背負って生きている


だから絶対にミノルは軽々しく友達だなんて言わない

だけど俺の気持ちは最初の頃と何も変わってない

病気を知った今でも何にも変わってないよ




“俺と友達になって”


その気持ちただ一つだけ


『………ユウキはやっぱりすごいな…』


『え?』



『…簡単に………簡単に…僕との…壁を飛び越えてくる』


『ミノル………』



『…ッ…太陽みたいに眩しくて暖かくて……涙が出る……』


ミノルの震えた声と大粒の涙が目に映った

ミノルが俺に見えないように窓を見て泣いてるように

俺も声を出さず涙を流した


この涙は嬉し泣き

ミノルと友達になれた嬉し泣きだよ


ミノルとならこの先なにがあっても、何年経っても変わらずにいられる


きっと………

きっと…………………



< 471 / 599 >

この作品をシェア

pagetop