近未来少年少女



お母さんの口から語られた真実


お父さんには借金があるという事、それは俺が生まれる前に作ったものだった


お父さんの仕事が不景気で返済がきつくなった為、お母さんは夜の仕事を始めた

たぶん俺が小学校に入ったから、余計にお金が厳しくなったんだと思う


お母さんはずっと前から離婚を考えていて、そんな中仕事場で出会った人と親しくなってしまったらしい


お父さんは借金で迷惑をかけたくないから俺達から離れる事を選んだ


“離婚”

それが一番いい選択肢だとお母さんとお父さんは決めたけど、俺の為にそれは避けたみたい


だから借金がなくなるまで“別居”という形を選んだ

この真実を聞いてたくさんの事が繋がった


夜の仕事をしていたお母さんに辞めてくれと言わなかった事


何を言われても反論をしなかった事

この家を出てく事


俺を連れていってくれなかった事…


でもそれを事前に聞いていたとしても、お父さんを嫌いになれる訳がない


ただ……“お母さんをよろしく頼む”

そう頭を下げた意味が今なら分かる


またいつか三人で笑える日がきっと来るよね…?

俺は信じて待ってていいよね……?



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