近未来少年少女


………………………
…………


『……ユ……ウキ?』

三番街の店通りを歩いていると聞き慣れた声がした

俺は“覚悟”を決めてゆっくりと振り向いた


覚悟…それは勿論怒られる覚悟


『…ごめんリーダー…また戻ってきちゃった』

震えた声で言った


リーダーは買い物途中だったのか、手には無数のビニール袋を持っていた

だけど俺の言葉と同時に袋が地面に落ちていった


ズカズカ……と険しい顔で近付いてくる、そして


『な、なんで…………』

俺の肩をガシッと掴みながら詰め寄った

なんで…………?
そんなの決まってる


『みんなを救いに来たんだよ』

この世界に住む住人全ての人を

この世界を作ってしまった大切な人を………



ずっと迷っていた

この世界を壊す事が果たして救いになるのかと


現実世界から逃げて来た子供達は、この世界が生きる希望であり唯一の居場所

その居場所を奪っていいのだろうかと、ずっとずっと迷っていたんだ


でももう決めた

“過去、今そして未来、過去に戻る事は出来ない、今も変える事が出来ない、だけど未来にならいくら希望を持ったっていいだろ”


みのるの言葉で何かが吹っ切れた


“未来”を信じて生きてほしい


逃げてしまった子供達

そして………

ミノル、お前も……




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