近未来少年少女


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学校が終わって帰り道、俺はフクと歩き慣れた道を歩いていた

帰る方向が同じな俺達は、基本いつも一緒に帰っている


くだらない雑談をしながら足を進めて行くと、前からスーツを着たおじさんが目に入った

見た感じの印象は虚ろな目にヨレヨレのスーツを着ていた

そしてゆっくりと俺達とすれ違う

『なんかあのおじさん疲れきってたね』

フクが振り返りながら、おじさんの背中を見つめた


『サラリーマンだろ?』

その言葉に俺はさらっと答えた


『あの歳のおじさんの背中って…
なんであんな寂しそうなんだろう』


確かに……

サラリーマンって俺の勝手なイメージだけど上司にペコペコ頭下げて顔色伺って

仕事って自分のプライドより
大事なものなのか?


『あーゆう大人にはなりたくないなぁ…』


俺はボソッと他人事のように呟いた


俺もいつかは大人になる


でも自分がこの先どんな大人になって、どんな人生を送るのか今は想像もできない




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