エンドレス・キス
何かを察知したらしい植田さんが、取ってつけたように「そうそう!」と言った。
数週間一緒にいて、初めて意思の疏通ができた。
「酔っ払った椎名さんの傍にずっといました」
「…………」
どこか納得していないような椎名さんの視線が突き刺さる。
犯罪を犯したわけでもないのに、何だろうかこの後ろめたい感じ。
その綺麗な瞳の奥で、椎名さんが何を考えているのかはわからない。
無言の圧力に耐えきれなくて、スッと視線を泳がせる。
「……まぁ、いいか」
な、何が?
そっと窺うようにちらりと椎名さんを見ると、いつものにっこりスマイルを浮かべていた。
「酒に呑まれたオレが悪いんだし。植田さん、ありがとう」
どうやら解放された模様。
去って行く後ろ姿を見送りながら、私は深く息を吐いた。
疲れた……。