異世界攻略っ！

序章

マンホール見つけました。

如月 乃愛〈キサラギ ノア〉。高校2年生の16歳。

平均より少し小さめの身長に、お母さん似の青色の目とお父さん似の黒髪。


家族は過保護なお兄ちゃん二人と、反抗期な弟1人。

そしてクウォーターであるお母さんと純日本人のお父さん。



中学の時にクラスメイトから「お前の目の色変！」と言われてからは先生に特別な許可をもらい黒色のカラコンをつけるようになった。

それからは特にいじめられるようなこともなく、平和な日々を過ごしてきた。



放課後の帰り道、時刻は夕方の７時過ぎ。
ついつい部活に夢中になって遅くなってしまった。

学校から家までの距離はさほど遠くなく、いつも歩いて通学している。


家の近くの住宅街に入れば、どこからともなく夕飯を作るいい匂いが漂い。

いつの間にか一人で『他人家の夕飯当てゲーム』をやっていることも多々、今もこうして嗅覚を研ぎ澄ませている。


夢中になっていた私は「村上さんちの夕飯はカレーだっ！」と思わずご近所さんの夕飯を叫ぶ。


すると「正解よ♪」と窓からひょっこりと顔を覗かせた村上さんに笑われてしまった。

それがなんとも恥ずかしい。


まぁ村上さんが知ってる人でよかったけど、これが知らない人だったらと思うと恐ろしい。



村上さんにお辞儀をしてから逃げるように家へ猛ダッシュした。