異世界攻略っ！
家は父が建築士をやっているコネでわりと立派な創りになっている。


まぁ、本当は3階建てだったのをお父さんが無理言って4階建てにしてもらったんだよね。

別に1階増えただけでなんもかわんないのに。



玄関の扉を開け「ただいまー」と言いながらリビングに顔を出せば、キッチンから料理をしていた一番上の兄ちゃん朱雀〈スザク〉とお母さんが「おかえりー」と返しながら顔を出す。



「乃愛ちゃん、もうすぐ夕飯出来るから部屋で着替えてらっしゃい」


お母さんにそう言われ、3階にある自分の部屋でゆるい短パンと半袖Tシャツに着替えてから再びリビングに降りる。


リビングには今だに料理をしている二人と、いつの間に帰ってきたのやら。

さっきまではいなかったもう一人の兄ちゃん斗我〈トワ〉と弟の龍一〈リュウイチ〉がソファーに座り、テレビを見ていた。


「なんだ、斗我兄と龍一帰ってたんだ」


「ん？あぁ、そうそう。ちょうど乃愛と入れ違いでな」


「そういえば先生がメールで、斗我兄も一緒に鍛えてやるから連れててこいっていってたよ」


「うげー。まじかよ…」


先生ってのは私の通っている武道教室の先生で、斗我兄も昔は私と一緒に先生のところに行ってたいたのだ。



私は今でも定期的の通ってるんだけどね。

斗我兄は高校に入ってから全く行かなくなってしまった。


でも実力と才能が先生曰く、斗我兄にはあるようで大学生になった今でもしつこく、斗我兄を連れてくるよう言われてる私。



「斗我兄も一回だけでもいいから行ってあげたら？」


これ以上は本当めんどくさい。私が。

「んまぁー。気が向いたらね」


そんな曖昧な返事をする斗我兄に私は呆れてため息が漏れた。
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