幸福なキス〜好きになっても、いいですか? SS〜

「……これを、俺に?」
「……今まで、私のものを使ってたので小さいかと思ったんです」
「俺が、雪乃ちゃんと比べるとでも?」
「……」


そうは思わないが、もしかしたら比べられるかもしれない。確かにほんの少し、麻子はそういうふうに考えたりもした。

だから、なにも言えずに黙ってしまう。

麻子がちらりと盗み見るようにすると、そこには少年のように顔を綻ばせた純一がいて。そのシアワセそうな表情に、思わず釘づけになってしまう。


「ありがとう」


目を細めて笑う純一に、目も心も奪われる。
こんな道端で唇を重ねられても、すぐに反応出来なかった。

意識が正常になったのは数秒後。


「こっ、こんなトコでっ……!」
「誰もいない。人も、犬も、な」
「――――っ」


理性を壊されるほど、求めさせる魅力は、ある種の罪――。
麻子はそんなことを頭の片隅で思いながらも、心ではこう思う。


〝いますぐ、幸福なキスをして〟――――。




END

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