弥奈愛
彼女への嫉妬とかそんなようなもの。
「うーざっ。舞留、あいつ狙ったよ。」
葉瑠が舞留を睨む。葉瑠の二重の目が、狼のようにキリッとなった。
「しゃーないやろ。彼氏が他の女の頭叩いてたんやから。嫉妬されたわー」
うちは横目で舞留と紘乃を見ながらため息をついた。
片想いって、辛いもんなんだよね。
葉瑠がくれたいちごポッキーは、何故かとても甘酸っぱかった。
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「なぁ、弥奈。」
帰りの部活終わり。紘乃がうちに話しかけてきた。
「なに。」
ちょっぴりドキッとして、冷たく答えてしまう。
「かわいくねぇなぁ」
紘乃が笑う。何故か心がちくりと傷んだ。
「舞留みたいにかわいくなくて悪かったな。」
ふんっ、と顔を背ける。ほんとかわいくないな、って思った。
「ほんと、弥奈はかわいくないなぁ
…でも、そんなとこがスキなんだけどな。」
そんなとこがスキなんだけどな。
かぁっと顔が赤くなる。でも、うちのスキと、紘乃のスキは違う。
「ねぇ…紘乃。あのさ。」
「なーに、弥奈」
紘乃がニカッと笑う。白い歯がまぶしい。
伝えちゃ、だめなんだ。
「舞留…、門で、待ってたよ。」
「まじ!?やべ、急がねーと
じゃーな!!!」
紘乃が去っていく。
紘乃を見送ると、涙がおちた。
「伝えたら、この関係でいられないもんな…」
ほんとは舞留なんて待ってない。とっくに帰っちゃったの、知ってる。
門で焦る紘乃に、4階から叫ぶ。
「嘘だわ、ばーーーか!!!」
泣き顔は、見られてないだろうか。
きゅっと苦しくなる胸を抑えつつ、学校を後にした。
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