その姿、偽りなり。
ガタンっ




またもや異様な音が発生し



俺たちを乗せたエレベーターは止まった。







え、、、





こんな時間に限って故障か?!






せっかく帰って寝れると思ったのにー!!








それからの彼女の対応は速かった






非常用の電話を繋ぎ、応答したおじさんに状況を説明していた。








「30分くらいで復旧するそうです。」






「そうですか、ありがとうございます。」






ちょっと素っ気なくなっちまったけど




内心、俺は気になっていた








なぜ彼女はこんなに目が充血しているのだろうか?




それに物凄く疲れているようだ。





無言のエレベーターに気まずい時間が流れる





職業柄かこの沈黙には耐えられない。






思いきって話しかけてみた



「えーっと、お隣の御巫さんだよね?」




「はい、そうです。」






「いつもこんな時間に帰ってくるの?」





「毎日ではないですけど、この時間に帰ってくることもよくあります。」





「そうなんだ。



だけど女の子なんだし、この時間は危ないよ」




「ふふ (*´艸`*)




及川さんってお父さんみたいです(笑)」







「えっ!?お父さん…」






俺、まだ25歳だぞ





それでお父さんって…ちょっとショック




その思いが見え見えだったのか




彼女は



「見た目じゃなくて、性格の話ですよ?



あんまり気にしないでください。」




と笑いながら言ってきたものだから




俺もつられて「そうですよね」と笑顔で返した。





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