今夜、きみの手に触れさせて


『青依ちゃんさー、家来る?』


次に矢代くんはそう聞いた。


『えっ、今から?』


『プフッ。じゃなくて、いつでもいいんだけど』



そっか。

そりゃそーだよね。今夜はもう遅いもん。



『い、行く』


あわててそう答えたら、矢代くんは


『じゃー明日な』


と言った。




『あ、明日は塾があるの』


『昼間も?』


『うん……。明日もあさってもその次も』


ちょっとうんざりとした声が出る。


『あー、あれか。修吾の彼女と同じ塾?』


矢代くんの声は変わらなかった。




『うん』


『がんばってんだってな』


『う……ん』


そう言われるのはちょっと苦手。


だってがんばってるっていうよりも、
決められたことをこなしているだけって感じだから……。
わたしの場合。


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