憂鬱なソネット
「………もー。


あんたほんと、どんだけ予想外なこと連発するわけ?」







あたしの心臓、やぶれたらどうしてくれるんだよ!!







「え? 俺またなんかした?」





「いーのいーの、こっちの話」





「ふぅん?」






寅吉は目を丸くしていたけど、それきり黙って空を見上げた。





街路樹の下、降り注ぐ木漏れ陽が寅吉の顔を彩る。




ついでに真っ白なキャンバスーーーじゃない、柔道着も彩る。






「………ね、寅吉」






あたしはポプラの梢を見つめながら言う。






「んー? なに、あやめさん」





「寅吉の詩、聞かせてよ」






寅吉は意外にも、「えぇっ?」と驚き、そして戸惑った表情。






「やだなぁ、恥ずかしいよ」






今度はあたしが驚く番だ。






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