憂鬱なソネット







その頃のあやめパパ&ママ+弟の会話。




「……いやぁ、なにがなにやら」


「あれよあれよと言う間に……」


「……すごい男だったな」


「嵐のように……」


「……でもまぁ、あやめのことを大事にはしてくれそうだな」


「そうね、それが一番よね」


「うん。しかしまぁ、驚いた……」


「ただいまー」


「あ、巧、おかえり」


「どしたの二人して変な顔して」


「いや、あやめの彼氏が挨拶に」


「え、挨拶?」


「結婚の挨拶に」


「はっ!? 結婚っ!?」


「うん、結婚」


「なになになにいつの間に!?」


「ほんとにねぇ、いつの間に……」


「ってゆーかどんな男なの」


「いや、なんというか、な」


「ねぇ」


「えー、なんだよ?」


「ちょっと説明は難しいな……」


「あんたも会えば分かるわよ」


「えーっ!? めっちゃ気になる!!」


「…………」


「…………」


「ってか絶対オレのほうが姉ちゃんより先に結婚すると思ってたのに!」


「……うん、まぁ」


「人生なにが起こるか分からないわね」


「ほんとになぁ」


「えーえーどんなやつだよほんとに!つか急すぎない!?」


「まぁ、あやめも驚いてたからな」


「はっ!? どーゆーこと!?」


「うーん、なにがなんだか……」


「わっけわかんねえ!」


「それはお父さんたちも同じでな……」


「てゆーか(以下略)」




………みたいな会話が延々と続く、忘れられないクリスマスイブになったとさ。





* * *


第三部 完




< 73 / 131 >

この作品をシェア

pagetop