この思いを迷宮に捧ぐ
来なくてもいいところへ来て、会わなくてもいい人に会う。
逆の立場になったとしたら、千砂は国境近くの町から出ないような気すらする。
「わかってる。話はしてあるから、安心して」
千砂がため息交じりに言うのに気がついて、母はぷくっと頬を膨らませた。
「もう。邪魔者扱いして。私、千砂にも皆さんにも会えるのを楽しみにしてたんだからね!」
わかったわかった、と押し出して、何とか客間に連れて行ってもらう。
以前母が使っていた部屋は、もうすでに翠が使っている。