この思いを迷宮に捧ぐ

あの頃は、体に何かをまとって寝ると、何かに追われたり、突き落とされたりして逃げ込んだ先で、岳杜と坡留の、傷ついたような、恐れるような目に見つめられて目が覚めるのが常だった。

いっそ厚着をして、何も被らない方がましだったのだ。

「議会で勝手に決めた人だって聞いたし、結婚式のことだって私任せだったでしょう?心配してたわよ」

千砂は、ぼんやりと、翠が隣の部屋から毛布を引き摺ってくる様子を思い浮かべる。

変な寝方してると思ったのだろうな。
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