この思いを迷宮に捧ぐ
懸案18

エネルギーの確保に関する件

「ごきげんよう」
「ようこそいらっしゃいました」

よく似ている。
千砂は、風の国の首相と握手を交わしながらそう思った。

彼の任期は長く20年に及ぶ。近頃は、風汰が名代に立つことも増えたが、これまでも身内であるかどうかを問わず、多くの人材を生かすことが彼の政治手腕の特徴だと言われている。

「このたびは、視察を受け入れていただき、ありがとうございます」

「我が国にとっても大変名誉なことです。お忙しい中、折角いらっしゃったのですから、じっくりご覧いただいて、何でもおたずねください」
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