この思いを迷宮に捧ぐ
何度も言った記憶があって、翠は再び過去の自分を呪う。
「確かに、私は多くの人を糾弾したし、厳しく裁くよう指示もした。孤立して一生この責務を全うするのだと思っていたわ。その上、本来の私は、もっと臆病で、自分の何もかもに自信がない」
幼い頃の自分を思い出して、千砂は少し俯いた。
「でも、あなたは自由で、自分を強く持っている。一見わがままで、礼儀知らずなのに、裏がなくて、無欲。不思議に人を惹き付ける」
言葉を探しながら、自分の気持ちに近付こうと、千砂は考え続ける。
「ふーん」