この思いを迷宮に捧ぐ
なのに、晁登の一言で、少女時代の気持ちが蘇ってしまい、千砂はくらくらした。

その目眩に似た揺らぎの中で、千砂は考える。

私のために、その手を汚してくれる。ここまで言ってくれる人が、この国の中にどれくらいいるだろう。

まして、異性で、さらには私が気を許すことができる人など、晁登を除いて他にはいない。


晁登の迷いのない澄んだ目を見つめながら、千砂は、自分が漠然と考えていたことを、行動に移す決意を固めたのだった。



< 60 / 457 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop