黒うさぎからの招待状
ジェームスさんが部屋を出て行った後、賢也は一度自分が寝るベッドに腰掛けたが、すぐに、アタシが寝ているベッドに腰掛けた。
落ち着きが無いように、見えた。


「…珠璃、大丈夫か?」

「うん。」

「なんかあったらすぐ俺に言えよ?」


賢也は少し、悲しそうな、寂しそうな顔をした。
アタシは賢也のそんな顔を初めて見たから、少し驚いた。


「…もう休むか」

「そだね」


部屋の窓にあるカーテンの隙間から月明かりが漏れていた。
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