クールで不器用な君。
「へ、る、る、瑠璃!?それに七瀬まで!?なんで二人で!?」
「それには深い事情がありましてですね。」
驚き戸惑っている裕美ちゃんを近くのベンチに座らせ話をした。
「……ふーん。それでねぇ。なんか最近瑠璃に驚かされてばっかだわ。」
「ごめんね、黙ってて。」
「ううん、いいのよ。でもこの事は佐伯には言わない方がいいわね。あいつ聞いた瞬間もぬけの殻状態になって落ち込むわよ。」
「え、そうなの?」
「だろうな。」
七瀬くんまで!?
「まぁ、とりあえずこのことは内緒にしといてあげるわ。」
「ありがとう。」
「でも一つ確認するけど、瑠璃って七瀬のこと何とも思ってないのよね?」
「何とも?」
「たとえば、好き…とか。」
「え、うん。好きだよ?友達として。」
「だってさ、七瀬。」
「………だからなに?」
そういえば七瀬くんと幼馴染みだってことは思いだせたけど、思い出したからって何か変わるわけじゃないんだよね。
呼び方とかも……。
まぁ、昔の七瀬くんを知ってるわけだから少しは見かたが変わるのかな。
「んまぁ、仲良くしなさいよ。」
あたしおつかい頼まれてるから、といってスーパーの中へ消えていった。
「帰るか。」
「そうだね。」