True Love



ガチャッ


部屋のドアがしまる


それと同時に日向がベッドに座る

『ほら。』


そういって笑いかけてくれたから私も少しだけ間を開けて座った


そのあと続く沈黙


『……なぁ。あのときなんで泣いてた?』

『……なんでもないの』

『結奈。』

『……』

『……まったく』


……わたし、呆れられちゃったかな……
こんなふうに心配してくれるのに
どうして素直に話せないの……


ギシッ

すこしベッドの軋む音がした

日向のほうを見ると


そっとてが頭に触れた


『まったく……何を強がってんだか』


頭を撫でながらそういう日向


そんな優しさに触れたから

私は


『……っ……だって』


これ以上黙ってることなんてできなかった

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