仲良し8人組
亮介と一緒にいると落ち着く。ホッとする。
そう思って頬を緩めるひなだが、逆を言えば亮介が居ないと不安になるという事だ。
今のひなにとって亮介は、唯一安心出来る人。
一緒にいる事によって自分が今ここに居ると思える相手。
亮介が一緒に居ないというだけで凄まじい不安がひなに押し寄せてくるのだ。
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他愛もない話をしているだけであっという間に過ぎていく時間。
気付いた時には、既に下りる駅の名前がアナウンスされていた。
駅から一歩外へと踏み出した所で二人が足を止める。
お互いの顔を見合わせて、二人揃ってへらっと笑う。
ここで一旦お別れ。
それが分かっているから、じゃあ…と言い出さなければならないのだが、どちらもその言葉を口にしない。
離れがたい……。そんな気持ち。
それでも亮介は仕事へ直ぐに行かなければいけない訳で。
へらっと笑ったまま亮介が口を開いた。
「仕事終わったらまた連絡するから!……っていうか、俺の家で待っとく?」
首を傾げて聞いてくれるが、それに待っとく!なんて可愛く言える間柄でもない。
こういう時ひなは、亮介の彼女だったらなぁ…なんて思ってしまう。
「えっ!あー、でも悪いし」
遠慮したいが、本当の所は亮介の家で待っていたい。
だから自分の家に帰るから!という言葉が続かない。
自分の家に戻るのが怖い。
亮介の目にも映らない自分の家に戻った瞬間、消えてしまうかもしれない。
そんな恐怖がひなに付きまとっている。