仲良し8人組
すると、亮介がズボンのポケットから取り出した何かを、ポンッとひなの頭の上に乗せた。
「待っとけ!」
その言葉と共に。
頭の上からずり落ちそうになったその何かを慌てて手で掴み取ると、思わずひなから声が漏れる。
「あっ……」
ひなの頭の上に乗せられたのは鍵だ。
しかも、亮介の家の鍵。
「ひなが俺の家で待ってないと、心配になって仕事どころじゃ無くなっちまう」
顔を真っ赤に染めたひなは自分の手の中にある鍵に視線を落としたまま。
そしてポツリポツリと言葉を紡いでいく。
「私、もう一人で大丈夫だし。…子供じゃないし。……でも、……ありがとう」
「おう」
ポンッと再びひなの頭に乗せられたのは亮介の温かい手で、ふわっと温もりがひなを包み込む様に落ちてくる。
直ぐに離れてしまう温もりが寂しくて、でも仕方ない事も分かってる。
18歳のひなはもう駄々を捏ねる年齢じゃない。
「じゃあ、行ってくる!」
「うん。行ってらっしゃい」
手を振って去っていく亮介にめい一杯手を振り返す。
亮介がもう一度私を見れますように。
そう願いを込めて手の中にある亮介の家の鍵を握りしめた。