仲良し8人組
次に左手側の1つ目のドアを同じ様に開けるが、ここもさっきと全く同じ。
右、左と1つずつドアを開けていくが、当然ながら何もないまま。
とうとう最後の1つのドアとなった。
ゴクッとひなが息を呑む。
そして、ゆっくりとドアを押していく。
ギィー……。
変わらない嫌な音にも耳が慣れてきたと共に、少しづつ見えてくるトイレの中。
「誰か……居るわけないよね」
誰も居ない目の前のトイレの個室を目にして、ひなはほっと息を吐くと、そう一人で言いながら自嘲気味にクスクスと笑う。
居るわけない!と思っていても、さっき見た女性がいる様な気がしてならなかったのだ。
ただの杞憂に終わって良かった。
そうひなが思った瞬間、
ギィー……。
ひなの真後ろから聞こえてきたドアを開ける時の嫌な音。
ひなの息が止まる。
後ろから聞こえてきた……。
私は押していないのに。
さっき確認した時は中には誰も居なかった。
今だって誰かがこのトイレの中に入って来た…なんて事、有り得ない。
じゃあ、……何で……?
振り向きたくない。
そう思うのに振り向かないわけにもいかない状況になってしまっている。
キュッと唇を噛み締め、震える手を握り締めると、ゆっくりと後ろを振り返る為にひなが首を動かした。