仲良し8人組
明が死んでいるのを見たから?
でもそれだったらもう記憶は全部思い出したって事になる。
元の世界に戻れる筈なのに……。
やっぱり戻れないの?それとも、まだ何か思い出してない?
そうひなが思った時、真後ろから、
ペタッ。
ペタッ。
と嫌な音が響いた。
誰かが近付いてくるこの足音。
ああ。
……あの時もこの音を聞いたんだ。
どこか冷静にひながそんな事を思ったのは、さっきまでモヤがかかっていた記憶がスッキリと戻ったからだ。
ペタッ。
ペタッ。
徐々にひなへと近付いてくるその足音。
でもひなは動かない。
いや、動けないのだ。
金縛りにあった様に身体が動かない。
あの時は身体が動かなかったわけじゃない。
あの時は、明が血を流して倒れているのを見て動揺していたから。
そして私は……。
ペタン。
止まった足音と、自分の真後ろに人が居る感覚。
あの時は……。
あの時は、月の光が当たったのかキラッと光ったナイフを手に持って立っている人が、少し離れた前にある食器棚のガラスに映ったんだ。
その人の顔なんて見えなくて。
ただ、その人は私の頭上に両手で握ったそのナイフを掲げ、そして凄い速さでそれを振り下ろした。
頭を貫く痛み。
ああ、
……私は…殺されたんだ。
ひなの肩へぽんっと置かれる手の感触。
それに続いて、左耳に冷たい息が掛かる。
「ネェ、……アナタは…どっち?」
そんな冷たい女の人の声と共に。