仲良し8人組



3階に着くと、家庭科室まで続く廊下を必死に走る。


その間にもひなの頭に蘇ってくる記憶。



今もだいぶ暗くはなっているが、まだどこに教室があるのかギリギリ見える。


明を探している時は、もっと暗くて懐中電灯の光だけが頼りだったんだ。


ゆっくりと歩きながらここを通ってた。


そして、家庭科室のドアが少しだけ開いているのに気付いたんだ。



「着いた……」



ひなは走ってきた勢いのまま、バンッとドアを開いた。


薄暗い家庭科室に並ぶキッチンテーブル。


その光景が目に入ったと共に流れる様に記憶がひなの頭を駆け巡る。



あの時は、持っていた懐中電灯で少しずつ周りを照らしながら探していったんだ。


教卓の前にあるテーブルの影に光を当てた時、赤い何かが点々と落ちていた。


それを辿ってスーっと目を動かすと、倒れている明がいたんだ。



思い出した記憶に沿ってひなの足は、明が倒れていた場所へと進んでいく。



「ここ…だ……」



今のこの場所には明は居ない。


床だって血まみれなんかじゃない。


でも、……ここで明を見付けたんだ。



「私は……、私は、……明を殺してない」



真っ赤に染まった自分の手。


それは、倒れて血を流している明を触ったから。


明を殺したのは私じゃない!


『明!明!』


そう叫びながら倒れている明を揺すっていただけ。



「よかっ……た」



だが、自分が人殺しではなかった事にほっとしたのも束の間、


「じゃあ、……私は何で……。何で、……タイムスリップしたの?」


頭を一気に占める疑問が口をついて出る。


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