アドラメレク


〈帰って来なさい〉

それだけの文章だった・・・


『ゴトッ・・・』

― 低くこもった物音がした・・・


“部屋のどこかで”


全身に緊張が走る

ピチャ、ピチャ・・・

リビングと廊下をへだてた扉の向こうから・・・

ピチャ、ピチャ・・・

粘着質な足音・・・まるで溶けた皮膚が床に吸い付き離れている様な・・・
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