水曜日の彼女


朝陽が退院することが決まった時、実の母親の亜紀さんが朝陽を引き取りに来た。


朝陽に何度も謝っていたが、



「ふざけないでください。

朝陽を渡せるわけがないでしょう!?

今までお見舞いにも来なくて、今さら…。

絶対に…二度と朝陽は渡しませんから!!」



そう言って…頑なに朝陽を渡そうとしない瞳さん。

亜紀さんと瞳さんが言い争っているうちに…瞳さんが階段から突き落とされるような形になり、階段を転げ落ちたんだ。



幸いそこは病院だったから、処置をすぐすることが出来たが、瞳さんの足には少しの後遺症が残ることとなった。


今も少し足を引きづるように歩いている。






その日…朝陽は…



実の母親を捨てた……。




「二度と俺の前に現れるな。」




亜紀に向かって一言。そう言ったんだ。




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