月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「ああ……あれには私が教えたかったことは総て教えるつもりだ。
無論柔道も、心の持ちようも」
「……涼音がカッコいいのは景周さんの所為なんですね」
だからあんなに男前で勢いがあって威勢があって――なのか。
景周が息子に、義理の息子にと望んだことを総て受け継いだのは涼音のようだ。
――義理の、息子という存在はいるのだ。
涼音の、父。
麗音は膝の上で拳を握った。
踏み込んでいいかわからないところへ、踏み込む決意。
「あの、景周さんは、涼音の父親はご存知なんですか?」