月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「でも俺、兄貴はすきだけどあの家とあの家の人間は大っ嫌いだから、潰れても構わない。中学出たら、家出するって決めてた」
「………そうなんだ」
「そう、なんだ」
麗音は笑おうとしたが、力なく淋しい微笑みになる。
核心。
そこに、近づく、歩み寄る。
そこがどこかの淵ならば、手を伸ばし摑む。
はね退けられても。
「それで……あの日、何かあったの?」
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