月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】


麗音も現実逃避してきたという、あの山。



この前は、『最悪が現実になった』と言っていたけれど……。




「うん。……兄貴に言われたんだ」
 


ここが、淵。



――摑み、離さない。



握ったら、その手。






「……何て?」
 



麗音は唇を引き結んだ。



カップに指を絡め、少しだけ傾けた。




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