月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「小六のとき、理由は何であれ喧嘩をしたこと。
そしてすぐに謝罪しなかったこと。
師匠に謝り続けるだけの意志を持てなかったこと。
――門前払い喰らっても、ここに来るべきだったと反省しています」
多透は一生懸命伝える。
(……じいさまの前に立つ勇気がなかっただけで、ちゃんと、自分の中では片つけているんだな)
そこでまた親のような気持ちになってしまう自分は駄目だと、手の甲をつねった。