月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「はーい。そもそも俺、頭悪ぃからそんな難しい話わかんねえし、誰にも言わねえし」
「あ、ありがとう……」
麗音は思わず礼を言っていた。
ありがとうなんて言うのも変な話だけれど……素直に口がそう言ったから、それでいいことにする。
「――景周師匠」
「何だ馬鹿弟子」
一度保冷剤を置き、身体の前に両手をつく。
多透が景周に向かって頭を下げた。
「麗音と、闘わせてください」
「………」
「えっ」
「タスク――」
多透は景周だけを見、表情を揺らがせない。