月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「! り、お……」
「出過ぎた真似はわかってる。それは謝る。
でも、高河まで乗り込まなくても話できるならチャンスだと思った」
「………」
麗音は渋面を作る。
言いたいことはたくさんありそうだ。
「麗音」
そっと、空緒が呼びかけた。
麗音はゆったりした動作で振り向く。
「麗音は、ずっと僕に優しかったね。……どうしてなのかな。
奈紗(なさ)と沙菜(さな)のことはあんなに嫌っているのに」
「そんなの、兄貴が俺に優しかったからだろ」