想いの能~チカラ~

目を覚ましたあたしは、周りを見渡すと、診療所の一室で寝かされていたらしい。

「気が付いたか。」そんな声が聞こえて体を起こし、声の方へ振り返るとクロード団長がいた。

「クロード団長…」なぜ、寝かされていたかを考え、あたしが暴走したことを思い出した。

「すみません、団長。あたし…」最後の方は声が小さくなってしまったが、団長は

「いや、いい。…部隊を完璧に統率出来なかった俺にも責任がある。すまない。」そう、言ってくれた。

「ありがとうございます。団長。…団長には話さなければならない事があります。…レイスさんを呼んで頂けませんか?…情けない事ながらまだ歩ける体力が回復してないので…」そう。体を起こしているだけでもかなりツラい。立とうとすると確実によろけてしまうだろう。

「…分かった。ただ、レイスがムリだと言ったらその話は翌日にするから。」そう言うとクロード団長は部屋を出ていった。

辺りを見渡すと水差しが置いてあり、水を入れると飲んで、人心地付くと、話さなければならない事を頭の中で纏めた。

十数分後、レイスさんと、団長が部屋を入ってきた。

そしてあたしはあたしの家の事や〝龍〟の契約者になった事など話した。
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