五つの顔を持つ私




「今日は転校生を紹介する」

…転校生?

…朝からやけにみんな興奮してると思ったら、これだったのか。

別にいいや、きょーみないし。

しかし、そんな私の思いは転校生が入ってきたことで覆えされることになる。

「…転校生の、黒木美麗です…。よろしく…」

…え?

「キャャァ!!めっちゃカッコよくない!?」

「イケメン~~!!」

…うそ…。

「…美麗…?」

バチ

転校生と目が合った。

やっぱり美麗だ!!

変わってないな~。

「え~と、黒木の席は…、あ、黒木の後ろが空いてるな。同じ黒木同士仲良くしろよ」

…まじかよ…。

ってか先生気付かないの?同じ名字なのに…。やっぱ似てないのかな。

って、それよりも女子の視線が怖い。

「あいつ、同じ名字だからって調子乗ってんじゃねぇぞ」

「龍神の皆さまも近いのにそれだけじゃ不満だって言うの!?」

「欲張りなんだよ」

「あいつ、自分のことかわいいとか思ってんじゃねぇの?」

「地味子はすっこんでろ!!」

「でしゃばってくんじゃねぇよ、地味子のくせに…」

「ムカツク…」

…席が近いのは私のせいじゃねぇし。

自分かわいいとか思ってねぇし。

こっちがムカツク…。

「久しぶり、麗」

「…」

なんかムカついたから無視してやった。

けど、その言葉を聞いた女子達は。

「なにあれー!」

「知り合いなの!?」

「よけいムカツクんですけど!」

「まさか兄弟とか!?」

「「「ないない」」」

…そのまさかなんだよな~。

…はぁ、聞いてねぇよ、帰ってくるとか…。



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