絶対王子は、ご機嫌ななめ

と──

政宗さんの熱い視線と重なり合った。

何を考えているのかさっぱり分からない人だけど、このクールな目に惹かれてしまう。

優しい人……か。

円歌ちゃんの言うとおりかもしれない。俺様でワガママで自分の言うことは絶対な王子様だけど、いつも私のことを木にかけてくれて大切にしてくれる。

そんなところもあることを分かっているから、私は政宗さんのことが好きなんだ。

政宗さんにふっと微笑みかける。彼もそれに応えるように一瞬微笑んだかと思うと、すぐにその口元がニヤリと弧を描く。

「あんな顔する人が、ホントに優しいのかな……」

誰にも聞こえないような声でぼそっと呟き、大きくため息をついた。



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