Cheer Up
もうすぐあたしの番が回ってくる。
アンカーだから待たないといけないがすぐに時間は経つ。
隣には颯がいて、あたしの団の次に走ってくるのがこいつの団。


―つまり、一騎打ち。


「ふふふ」
「いきなり笑いだして気持ちわりいよ」
「こんだけ楽しみなことはないわ」
「俺もだ」
「約束守ってよ」
「……お前もな」

その瞬間、あたしの手にバトンが渡る。
一気に走り出す。

颯にもバトンが渡り、あたしを追いかける。

そして―並んだ。

もうゴールは目の前。

『同着です!!』



「……ねえ颯。こういう時ってどうすんの?」
「お互い、叶えあうということでどうだ?」
「ま、仕方ないね」

顔を見合わせて笑うあたし達。

「お前からどうぞ」
「どういう風の吹き回し?」
「レディファーストだ」
「あんたがあたしを女と見ていることに少し驚きだわ」

(……当たり前だろ……)

「ごめん、よく聞き取れなかった。んであたしの願いは―」

ようやく言える。
本当に長かった。


「―映画、見に行こう」


「えっとそれはどういう……」
「いやー見たい映画あるんだけどさ、そこの映画館が男女で行くと値段が半分ていうからこれはやったぜ、みたいな感じでお父さん連れてこうと思たんだけど行けないと言われて、で代わりにあんたを……あれ?何か怒ってる?」
「何でもねえよ。どうせ他の奴でもいいんだろ?お前、男で仲いい奴、たくさんいるじゃねえか」
「いや、何かあんたしか思い付かなくて……」

あれ?あたし、何恥ずかしい事言ってるんだろ?とりあえず話を変えて 、


「じゃああんたは?」

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