メガネのヒメゴト
「普通、指輪って右にするんじゃないの?」


「そうだけど、わたしはこうしていたいの」


うれしくなって、あなたの背を後ろからぎゅっと抱きしめた。


あなたは腕をほどこうとするけれど、まんざらでもなさそうな複雑な顔をしていた。


「ずっとしてるからね」


「でもするとき、邪魔じゃないの」


「大丈夫」


「でもずっとつけてちゃ、ねえ」


「お風呂に入るときとか、食器洗うときははずすから」


「でも…」


「あ、大丈夫、やるときカラダを傷つけないようにするから」


「そう。それなら、いいよ」


きっかけをみつけたかのように、お互いそのままベッドへなだれ込んだ。

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