何も知らないふりをして


稲月 智広。

私の隣のクラスの男子で、最近女子の間で話題になっているらしい。


その理由は、この前の球技大会。

部活に所属してないため今まで明かされていなかった稲月の運動能力。

しかし、その球技大会のバスケで大活躍して、一気に女子の注目をあびた。

ちなみにどんな事をしたかというと、ほぼバスケ部のメンバーvs素人チームの不利な状況の中、一人で24点とって勝ったらしい。

まぁ確かにそれはすごい。


今まで普通の一男子だった稲月は、そこからは女子にモテまくり。

しかし、その状況で調子に乗るような男でもなく、告白に軽くオッケーしないため、いまだに彼女はいない。

そこがまた良いらしく、女子からは王子様的な存在として扱われているらしい。



「今では女子の中で『智広様』と呼ばれてるの。ホント、もうちょーかっこいいんだよ!」

「そんなかっこいいのに、なんで今までモテなかったの」

「注目をあびなかったからじゃない?今まで影に居たものも日の光浴びたら輝くのよ!」


…それ、運動できるってだけじゃん。

一時のかっこよさを、皆ひきずってるんだよ。



「…興味ない」


「もう、光のばか」


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