悪魔の目
帰宅した頃には、母親も僕もクタクタだった。
母親は今日の出来事を父親に話し、さらに僕はこっぴどく叱られた。
その日、お祝いのケーキと、赤飯、オードブル、大好物のレバニラという破壊的なメニューが夕飯を彩り、親戚一同が集まって僕の晴れ舞台を祝った。
三島の事を考えるあまり、僕は一口も口にする事ができず、終始新幹線のオモチャで遊んでいた。
「優太くん。ご飯食べないのかい?」
20歳位の若い男が、僕の横にあぐらをかいて座った。
ビールが入ったコップを持ち、少し酔った様子だった。
どうも、この人が誰か思い出せない。
「…だれぇ?」
「やだなあ、優太くん。斗真お兄ちゃんだよ。」
斗真お兄ちゃん?そう言われても、脳内の21歳の僕はピンと来なかった。母親が殺されてから、親戚付き合いはほとんど無かったためか、記憶から抹消されている。
「そうだ、優太くん。今度、優太くんに英語を教えてあげよう。」
「英語?」
「うん、英語だよ。外人さんの言葉さ。今日叱られたんだって?もっといい子になって、お母さんを喜ばせてあげよう。」
ニッコリ笑った顔は、特徴的で少し浅黒い肌に、180cmはある長身で白いポロシャツをタイダイ柄のジーンズにインしていた。
どこにでもいる、この時代の大学生と言った感じだった。
「あら!斗真お兄ちゃんに遊んでもらってたの?もうお母さん、怒ってないから、早くご飯食べちゃいなさい。」
母親がこちらを覗き込む。
「……優太くんのお母さんは、しかし優しくて綺麗だな。」
かろうじて僕だけに聞こえる声で呟いた。
斗真お兄ちゃんの目は、僕の顔を見もせず、母親に釘付け。
「うん!母さんは綺麗だよ。英語教えて、お兄ちゃん。」
「よし、そうこなくっちゃ!」
母親は今日の出来事を父親に話し、さらに僕はこっぴどく叱られた。
その日、お祝いのケーキと、赤飯、オードブル、大好物のレバニラという破壊的なメニューが夕飯を彩り、親戚一同が集まって僕の晴れ舞台を祝った。
三島の事を考えるあまり、僕は一口も口にする事ができず、終始新幹線のオモチャで遊んでいた。
「優太くん。ご飯食べないのかい?」
20歳位の若い男が、僕の横にあぐらをかいて座った。
ビールが入ったコップを持ち、少し酔った様子だった。
どうも、この人が誰か思い出せない。
「…だれぇ?」
「やだなあ、優太くん。斗真お兄ちゃんだよ。」
斗真お兄ちゃん?そう言われても、脳内の21歳の僕はピンと来なかった。母親が殺されてから、親戚付き合いはほとんど無かったためか、記憶から抹消されている。
「そうだ、優太くん。今度、優太くんに英語を教えてあげよう。」
「英語?」
「うん、英語だよ。外人さんの言葉さ。今日叱られたんだって?もっといい子になって、お母さんを喜ばせてあげよう。」
ニッコリ笑った顔は、特徴的で少し浅黒い肌に、180cmはある長身で白いポロシャツをタイダイ柄のジーンズにインしていた。
どこにでもいる、この時代の大学生と言った感じだった。
「あら!斗真お兄ちゃんに遊んでもらってたの?もうお母さん、怒ってないから、早くご飯食べちゃいなさい。」
母親がこちらを覗き込む。
「……優太くんのお母さんは、しかし優しくて綺麗だな。」
かろうじて僕だけに聞こえる声で呟いた。
斗真お兄ちゃんの目は、僕の顔を見もせず、母親に釘付け。
「うん!母さんは綺麗だよ。英語教えて、お兄ちゃん。」
「よし、そうこなくっちゃ!」