悪魔の目
後から聞いた話によると、斗真お兄ちゃんは従兄弟である事、3軒先の小さなアパートに一人暮らしをしていて、都内の大学に通っている事を聞かされた。

ここまで色々聞いても、僕はやっぱり思い出せなかった。

でも、きっと学生時代、唯一英語の勉強に困らなかったのはこの人のおかげだと思う。

斗真お兄ちゃんは、僕の入園式以来毎日家に来るようになり、当たり前のように一緒に夕飯を食べるようになった。

次第に僕は心を開くようになり、僕の唯一の友達になった。斗真お兄ちゃんには何でも話せた。母親の事や、父親の事、幼稚園であった事や、幼稚園で気になる子ができた事など。

僕は母親の喜ぶ顔が見たい一心で、斗真お兄ちゃんにアルファベットや、簡単な英単語を教えてもらった。
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