ミク。
正体を知られてから1ヶ月がたとうとしていたある日の朝、起床時間なども細かくセットされた為疑似睡眠と称し、この日起床するようにと言われていた時間までずっと閉じていた瞼を開けると、目前の左手の薬指に何処かで見た銀色のモノが嵌められているのを見る事が出来た。

『おはよぅ。フィン』

声のした方に視線を動かせば既に着替えを済ませた彼が居て、何か大きめな包みを持っているのを見る事が出来た。

「おはよぅブラック。どうしたの?」

あれ以来、大切なヒトについて一度も聞いていない。というか、聞こうとするとはぐらかされたり遺伝子保存タンクの中の子供をなんとかして産め。産んだら教えてやる。などと無理難題ばかりつきつけられて、ある意味最低な状況かもしれない。けれど、最も幸せな時間なのかもしれない。

『これやるよ。』

と、大きめな包みを投げ渡されたのでとりあえず開けて見ると、肩と腰元のフリルが素敵な白いワンピースが一着入っていた。

「これ、私に?」

『あぁ。』

「ありが…‥」

『命令だ。フィン、今すぐそれを着ろ。』

「………………。」
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