人生、やり直しませんか?
 「ここよ、ちょっとほこりっぽいけど…まぁあなた、アレルギーないんでしょ?」


 女の子が古びたドアをひくと、ムワッとほこりの独特なにおいがした。


 ドアの前で突っ立っている私にイライラしてきたのか、女の子が私の背中をドンッと押した。


 「腕が痛くなるじゃない。さっさとはいりなさいよ」


 「だって勇気が……」


 「人の家をお化け屋敷みたいに言わないで。でもやっぱり……」


 女の子が周りを見渡して、苦笑を浮かべた。


 「少し、お掃除しなきゃだめね」


 あ、やっぱり汚いと思うんだ。


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