そっと鍵をかけて。



目が醒めるまで隣に居れなくてごめんなさい。

昨日の事、先輩はきっと覚えていないから。

隣にいなければ、電話は多分かかってこない。


「あーもう、ほんと やっちゃったなあ…」


彼の家を出て、桜色の唇の端が持ち上がるのを感じた。



バイバイ先輩。

昨日の事は忘れてしまっていてもいいよ。

あの夜は私だけの 宝物 にするから。



rouge /fin.




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