First Letter〜1年間の夢物語〜
「…ぁ、瑠昂!」
「莉子…?」
あ、そうか。寝てたんだ。
ってことはあれは夢…
「瑠昂大丈夫?泣いてるよ…」
えっ…
自分の頬に触れる。
莉子にいった通り涙の雫が指に当たった
あの夢のせいか…
昂哉に嫌われて、関わらないでって言われて、それだけなのにこんなにも心が痛いんだ…
ピコン
昂哉…?
ケータイの画面に出ているのは、間違いなく昂哉の名前…
"大丈夫か?"
たったそれだけの言葉。
でも、心が軽くなるのを感じた…
"大丈夫だよ"
その後に昂哉からの返事はなかったけど、さっきまでの心の痛みはなくなっていた。
「莉子に言えないくらい私も単純だな」
ボソッと呟いて、そっと笑った。
ありがとう、昂哉…