名前を教えてあげる。
手間のかかった雅子手作りの和スイーツ。一口食べて、美緒は絶叫した。


「うわあっ!美味しいっ」

ヨモギの香しい香りと優しいあんこの甘さがマッチして、絶品だった。

「これぞ、ヨモギとあんこのマリアージュやあ〜」


彦摩呂の真似をせずにはいられなかった。恵理奈がきゃっきゃと笑う。


こんな美味しい草餅を家で手作りちゃうなんて…


市販のものより、遥かに美味しい大福に美緒は雅子が魔法使いみたいに思えてしまう。

雅子と自分。
雅子は34歳で10歳も違うけれど、同じ年頃の娘を持つ母親なのに……


「リスペクト雅子ちゃん!」


草餅をパクつきながら、雑煮だけでなく、この和菓子の作り方も教わろう、と思った。






草餅を食べ終えた後、美緒は五郎にメールを打とうと思い立った。

夕飯は、ハンバーグにするよ、と伝えたかった。

昨夜はオムライスを作った。
五郎は、目尻を下げて「美味いよ」といってくれた。


風呂上りの五郎は、縞のパジャマにグレーのちゃんちゃんこを羽織る。
背中を丸め、黄色の卵とケチャップご飯をスプーンに載せて食べる姿がなにか可愛かった。

五郎の嬉しそうな顔が見たくて、ここにいる間、夕飯を作る役目を引き受けた。


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