甘いキスをわたしだけに。





「緊張しなくていいよ
 取って食ったりしない」



ホテルの部屋の甘い匂いを
嗅ぎながら雅樹の声を耳に感じる



「………」




後ろを向いたままの雅樹が



「俺さ、真美のこと絶対諦めない
 って思ってた。
 けど…真美つらいだろ?」




「え、」




「真美、優しいから
 先輩の俺を振れないでいるだろ?
 それで彼氏と俺の間に挟まれてる」




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