恋よりもっと―うちの狂犬、もとい騎士さま―


確かにやきもちだとかそういう話を周りの子がする度に、話についていけなくなるし、なんで私はそういうのを感じないんだろうとは思ってた。
由宇が他の子と話していてもイライラしたりしないし、何を話していたのかも気にならないし。

広兼さんも私も考え込んで変な沈黙ができている中、店員さんが料理を置いていく。
それぞれの前に注文した料理を置いて店員さんが去っていた後、広兼さんが私にスプーンを差し出した。

「それって、星崎さんも姫川に対してそうなのかな。だとしたら似た者同士でまぁいいんじゃないとも思うけど……。
星崎さんは、姫川が他の人と仲良くするの嫌がったりするの?
オムライス、スプーンでいいんでしょ?」
「あ、すみません。
由宇は……どうだろ。昨日私が痴漢にあったら怒ってましたけど……それはカウントされますか?」
「え、痴漢に遭ったの?」
「はい。途中まで露出狂で途中から変質者みたいな痴漢に。蹴飛ばしたら抱きつかれて、それを由宇が捕まえて警察呼んでくれたんですけど」

そこから少し痴漢騒動の話をしてから、広兼さんが話題を元に戻す。

「あれは? 学生の頃とか他の男と話す機会とか多かったでしょ? それ見て星崎さん何か言ったりしなかった?」

学生の頃と言われて、オムライスを食べながら高校の頃の事を思い出す。

< 71 / 214 >

この作品をシェア

pagetop