君とあたしと携帯電話

でも…

「ホントにそうならどうしよ…」

今のあたしには抵抗する力なんてない。

「ちょーっと、本気で落ち込むのやめてくんない⁇せっかくかーくんと愛を確かめ合ってんのに」

かーくんは真奈の彼氏です。てか、愛を確かめ合ってるとか…

「キモ」

あたしが思わず呟くと、真奈の目がギンとなる。ひゃー怖い怖い。

「あんたの悪口瑠稀に言ってやろうか⁇そうかそうして欲しいか」

「ちょっ、嘘嘘、嘘です」

立ち上がるふりをするから急いで止める。席に座り直すと真奈が携帯をしまった。愛を確かめ終わったらしい。

「で、連絡が来ないと⁇」

「そう」

「自分からすれば⁇」

「…した…」

「ほー、で⁇」

「出たけど…すぐに、『もう切っていい⁇』って…言われた」

あたしがそう言うとんーと何か考え込むような仕草をする。